不撓不屈

3月11日の巨大地震から1週間が経った。

被災地では、今この時にも厳寒の中、毛布も、水も、食料も無く、生命の危機に瀕しながら救助を待っている人が大勢いる。
これは映画やSF小説の話ではない。
同じこの国、日本の北の方にいるのだ!

被災された方々の心痛はいかばかりか察して余りある。
その現実に胸を締めつけながらも、自分には自分で守らなければならない会社、社員、家族がある。
だからそちらに精一杯で、わずかな募金と、節電と、買い溜めしないことだけしかできないでいるのが現状だ。

あの日、8階の事務所で激しい揺れと奇声の中、もし倒れたら片付けるのがかなり面倒だから絶対に倒したくない書庫を押さえていた。
幸いにも小さな書庫が倒れたのと、花瓶が落ちたのと、ティファールの湯沸かし器が落ちて破損した程度の被害で済んだ。

だが、それからが大変で、まずは外にいる社員に電話するが全く繋がらない。
家族も、親も、知人も、取引先も、電話がかからない状態が続いた。
だが、まあなんとか家族や社員とは比較的早く連絡がとれた。
なんとか近しい人々の無事を確認できたのは夕方になってからだった。

その日の夜、あの光景は忘れない。
日本橋近辺は歩いて帰宅しようとする人であふれていた。
東京メトロもJRも私鉄も全て運休していた。
歩道はおびただしい数の人人人・・・・・・
そして昭和通りには車がギッシリ詰まっていて、いつ動くかもわからない状態なのに首都高速道には1台の車も走っていなかった。
実に異様な光景だった。

夜になり、自宅には帰らないと決めたスタッフたちと夜ご飯を食べるために飲食店(居酒屋)にいけば、どこも満員で入れない。
会社の事務所に泊まると決めた日本橋・茅場町界隈の会社員たちでいっぱいだった。
何軒か周り、やっと入った店もスタッフがいない。
地震がもたらした熱にうなされたような、異様な夜だった。


翌日の朝、神社に参拝したついでに東京駅方面に行ってみたら出張や旅行などで上京し、帰れなくなったのだろう、段ボールを敷いて寝ているスーツ姿のビジネスマン、階段に座ったまま眠っている女性などであふれていた。
何かとんでもない事が起ったのだと再認識させられる光景だった。

それからの日々は、津波の圧倒的な破壊力と悲惨な映像、原発の大大トラブル、続く余震、株の暴落、停電、買い溜め、くだらないデマ、燃料不足と大渋滞・・・挙句の果てにプロ野球の開幕問題まで。

もちろん仕事面にも多大な影響が出ている。
工事の遅れ、納期の遅れなどなど。しかし、これはどこも同じことだろう。

それにしても、なんだか世の中がガラっと変わってしまった。

車にガソリンを入れるために1時間待ち、本来は被災地に向かうトラックが入れるべきなのかもしれないガソリンを買う。
いつもなら何の疑問も無く買っていたガソリンが、これほど貴重だと感じたことは無い。
もしかしたら、この給油をしなければ被災地の誰かが助かるのではないのか?
そんな考えに苛まれながら・・・
だが、仕事には必要だ・・・
そんな思いでガソリンを入れたことなど今の今まで一切なかった。

昨晩、用事があって出かけた八重洲はネオンも消えて暗く、家路を急ぐ大勢のビジネスマン、ウーマンの足音だけが不気味に響いていた。
こんな時だから当然なのだろう。
しかし、あまりにも大きな街の変貌を暗澹たる思いで見ていた。
一体この先どうなるのだろうか?
人々がそんな思いにかられてしまうのも当然なのかもしれないなと感じた。

だが、落ち込んでいる場合ではない。

ツイッターなどには若い人たちの、一致協力して日本を建て直そうという力強い言葉が並んでいる。
海外からは略奪が起らないこと、助け合うこと、順番を守ることなど、日本人は高潔で品位ある国民と褒められたりした。
まあ、こちらが当たり前で、向こうに品格が足りない方が少し多めにいるということなんだろう。
武士道、大和魂といった精神は、まだ脈々と受け継がれていることを改めて感じることができた。

世界で唯一の被爆国であり、悲惨な戦争に負けても、我々の先達は、その弛まぬ努力と勤勉で高度成長を成し遂げ、安保闘争、オイルショック、バブル崩壊、阪神淡路大震災、サリンによるテロ、長引く不況とデフレに屈することなく世界第2位の経済大国をつくり上げたのだ。
だから今回も必ず立ち直る。
もちろんそれなりの時間はかかるだろう。
しかし、絶対に屈することはない。

Everybody bats you over the head,chokes you,smacks your jaw and fills you with morphine.
But you just keep right on hittin' between tackle and end,untill they're all worn out.
レイモンド・チャンドラー「さらば愛しき女よ」より

震災が我々の頭を殴りつけ、喉を締め上げ、顎を砕き、モルヒネ漬けにしようとも、奴らが倒れて動けなくなるまで何度も何度もタックルとエンドの間を突破しにいくぜ!いいか、負けてたまるかよバッキャーロー! (英訳ではありません)

いま、この国の史上において類をみない大災害に襲われて激烈な国難の時、試練の時だ。

しかし、決して屈してはいけない!

家も財産も無くし、肉親が目の前で津波に流され、いま食べるものもないのに「生きているだけでもありがたい」と言っている人が同じ国にいるのに、スーパーにカップラーメンがないくらいで大騒ぎしてるんじゃない。
あくまでも冷静に、我々はいまは出来ることをやろう。

被災地では自衛隊も消防も警察も、地元の消防団も経済団体も、海外からの応援レスキューも必死の救出活動を行っている。
原発では、まさに命がけで作業に当たっている人がいる。
東北に向けて物資を運ぶトラックの運転手さん、医療関係の皆さんは寝る間も惜しんで職務を遂行している。
頭が下がる。

茨城の友はまだ水が出ないと言っていた。
宮城の友はやっと繋がった電話口で何度も何度も電話をくれてありがとうと言っていた。
福島の友は親が避難所で苦労をしているようだと嘆いていた。

だから皆を支援しよう!
お互いさまなんだ。

金が少しでも余るなら募金しよう!
節電しよう!

うんこなんかボロ布で拭いて捨てればいいんだ。
山小屋方式だ。

東電や政府に文句ばかり言っている暇があったら困っている人を助けよう。
それは落ち着いてから評価すればいい。

そしてなによりも経済活動を止めてはならない。

「経済なき道徳は寝言」 by 二宮尊徳

経済が停滞すれば支援はできないのだから。

艱難は汝を玉にする。
この試練を乗りこえれば、新しい日本が生まれるような気がしてならない。
活気と思いやりがあふれる国と社会が。

いまは皆が一つになってこの試練に立ち向かおう。

不撓不屈

やまない雨はない。
明けない夜はないのだから。


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被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興をずっと祈念しています。

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お久しぶりです。そして、お互いに無事で何よりでした。
経済活動については、まったく同感です。
ミクロの視点で思いを寄せつつも、マクロの視点で積極的に行動しないと、
経済が冷えてしまい、本当の意味での復興をより遅らせてしまうのかと思います。
日々、息子たちをお腹いっぱいにするための買い物も、
得体の知れない負い目というか、どっかから“不謹慎”と囁かれてるような気もしている私です。
でも当事者でないが故に、なおさら、明るく元気よくいくしかない、とも思います。
もとより、買占めでもなんでもなくて、我が家の常態なのですし。
つとめて、平静に、そしていつも通りに事が進められるよう、日々生活しようと思っています。

jtstj 様

皆さま無事のご様子、なによりです。
いま街は自粛自粛ということで、知り合いの飲食店経営者たちは悲鳴をあげています。
取引先のパーティション工場は福島の白河にあり、この年度末、一番の需要期に生産ができなくなってしまいました。
大手OA機器メーカーも工場、倉庫に被害が出て、受注しているのに納品すべき機器がなくなってしまいました。
弊社は在庫があるわけではないので大きなダメージなどはないのですが、なかなか「いつも通り」にというわけにもいかない状態です。
でも、前述のみなさんから比べれば全く元気。
だから、明るく、しっかり経済活動を続けなければ!
「いつも通り」って贅沢なんだーと知りました。
なんだかこの震災で色々なことに気づき、本当に大切なこと(モノ、人・・・)が少し見えたような気がしています。うまく説明できませんが・・・
プロフィール

辻本孝良

Author:辻本孝良
東京都中央区で会社経営してますがビジネス関係の記事はほぼありません。
山とか酒とかB級グルメとか阪神タイガースとかの、どうにもならないような記事ばっかりです。

50歳を過ぎているというのに志の低いブログでごめんなさい。

会社のサイトは 

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