両神山 2010年9月26日 単独 ステゴサウルスの背のような岩峰
「それは秩父の前山のうしろに岩乗な岩の砦のさまで立っている。大よその山は、三角形であったり屋根型であったりしても、左右に稜線を引いて山の体裁を作っているものだが、両神山は異風である。それはギザギザした頂稜の一線を引いているが、左右はブッ切れている。あたかも巨大な四角い岩のブロックが空中に突き立っているような、一種怪異なさまを呈している」 深田久弥 『日本百名山』
2010年、記録的な猛暑だった夏、運動不足を極めた。
結果、お腹が・・・ヤバい・・・
そして、久しぶりに超運動不足の身体で山登りしたら・・・
非常にキツかった。
あたりまえだ。
山頂手前の岩
9月25日の土曜日も事務処理などの仕事をしていた。
その仕事の合間にツイッターを覗いたりしてみると、山関係でフォローさせていただいている方々が山に向かっていたり、いま山にいるよー、などとツイートしている。
うーん、メチャ羨ましいな。
東京は小雨模様だったが天気は回復傾向で、北アなどは晴れているようだった。
「明日は日曜日だ、休めるじゃないか・・・」
などと、心の中でつぶやくと、もういてもたってもいられない。
とっとと仕事をやっつけて、山に行くぞ!
猛スピードで仕事を終わらせ(テキトーということではない)丸善日本橋店の山の本コーナーとネットを駆使して、どこの山に行くか検討。
あれこれ考え、車で奥秩父の両神山に決定。
この山は電車とバスでのアクセスが非常に悪い。
だからまあ面倒だが運転も仕方ない。
9月26日(日)
朝3時に出発。
関越自動車道を「法定最高速度で」快調に飛ばす。
花園インターで降りて、まだ真っ暗な道路を寄居皆野バイパスを通って皆野を抜け、秩父から小鹿野方面へ。
実は八丁峠から連続する岩場・クサリ場のルートも考えたのだが、このヘタレな出っ腹ではキツ過ぎる。
今回は日向大谷からのルートにした。
登山口の日向大谷が近付くと、道は車がやっと一台通れる程度の幅になる。
まだ夜明け前で薄暗い。
以前、反対側の登山口でテンらしき動物を見たことがあるが、今回は野ウサギが飛び出してきた。
あやうく轢いてしまうところだった。
途中でコンビニに寄ったりしたが登山口には5時30分ごろ到着。
すでに5台の車が停まっていて、うち2台は前の日から来ているようだった。
フロントガラスに朝露がついている。
腹ごしらえしてから、登山靴に履き替え、準備万端。
6時少し前に山頂を目指して出発。
階段を少し登って両神山荘へ。両神神社の里宮はこの右奥にある。
少し登ると鳥居がある。
一礼し、入って右側のお堂に安置された勧蔵行者像に登山の無事を願う。
木々の向こうに武甲山が見えた。
しばらくは沢の渡渉を繰り返す。
小さな祠や石碑が次々に現れる。
いかにも信仰の山の風情。
会所を過ぎて、八海山と呼ばれる場所へ。
そしてここをすぎると急登、急登・・・
あー、運動不足を痛感。
いかん・・・
それでも喘ぎ喘ぎ登る。
八丁峠からのルートなんか、これじゃ無理だ。
この秋に鍛え直さないと本気でいかん。
しばらくすると「弘法の井戸」と呼ばれる水場。
喉を潤す。
山で飲む水はマッカラン25年よりウマイ。
(かもしれない)
そこからひと登りで清滝小屋。
今は休業中で避難小屋として使用されている。
実にキレイ。避難小屋としては十分だな。
裏には小屋の名前にある清滝がある。
細いが、しっかりとオーバーハングな岩から水が落ちている。
ここから産泰尾根に取りつく。
また急な登り。
もー勘弁してくれ~
崩壊した登山道があって、登山口には「崩壊してる箇所がるよ。巻き道もあるけど、安全とは限らないから自分の責任でよろしくねー」みたいな内容の注意書きもあった。
行く人は注意してくださいね。
まあ、足を滑らすとか、バランスを崩すとかさえなければ大丈夫だけど。
しばらく登れば尾根上に出る。
ここで初めて両神山の山頂を見ることができる。
(木の葉に隠れて見にくい)
そして、ここからがまた大変。
オジサンを痛めつけるような急登と、岩場・クサリ場が出てくる。
クサリ場は嫌いじゃないが、オジサンはこの夏の暑さで体力が~・・・・とか言ってももう遅い。
だから文句を言わずに登った。
まあ、たいしたクサリ場じゃないけど、なめたらあかん。
ひーこらひーこら登っていると樹林帯の広い尾根へ。
両神神社の本社に到着だ。
あー、休憩しよー。
気温は9度。
だが、全然寒くない。
むしろ暑かった。
この温度計は正確なのか?
というか、やっぱりオレは寒さに強いのかな?
(皮下脂肪のおかげなのか!?)
さて、両神神社の狛犬は山犬だ。
ようするにオオカミ。
秩父では山犬信仰に基づいて狛犬を山犬としている神社が多いと聞く。
三峯神社も、宝登山神社も、そして武甲山の一の鳥居でもそうだった。
そのオオカミのことは武甲山の記事に書いたから、その記事で見てくれたまえ。
武甲山の記事は→ ここ
神社で一息入れ、参拝してからまた登る。
ああー、山頂はまだかーと思いながら、登る。
そしてひときわ高い岩峰が現れ、クサリに従ってよじ登る。
最後のクサリ場をクリヤすれば、やったぜ山頂!
すごく狭いけど素晴らしい!
富士山は雲がかかっていたが、なんとか見えた。
(一番奥にかろうじて見えてる)
奥秩父、西上州の山々が良く見える。
八ヶ岳もなんとか。
では、動画でどーぞ。
素晴らしい景色を眺めながら、おにぎりを2個食べた。
お湯を沸かしてみそ汁くらい作ろうかと思ったが、狭いし面倒なのでやめた。
着いた時、山頂には私の他に4人しかいなかったが、続々と登山者が登って来る。
夜は、両親の誕生祝いも兼ねて、うちのカミサンが鰻が美味しい割烹を予約してくれているらしいから、とっとと降りることにする。
それに高速道路の渋滞も避けたい。
登ってきた同じ登山道を下る。
そして岩場は慎重に。
当たり前だが落ちるのいやだ。
急な登りは、下りも急だ。
登ってくる人たちをクサリ場の上で待ちの状態も少々。
昼少し過ぎに駐車場着。
下りで、抜きつ抜かれつしていた単独の青年より少し遅かったが、お互いに「お疲れ様」と声を掛け合い、両神山を後にした。
朝は、まだ暗い道を来たから景色のないドライブだったが、帰り道は山里の風景が楽しい。
そして、こんな両神山が後ろに見えたから、思わず車を停めて写真を撮った。
両神山は、まるでステゴサウルスだな。
急登あり、クサリ場ありの充実したコースだった。
痛快云わん方なかりき。
しかし・・・
その翌日から3日間ほど、激しい筋肉痛に襲われて大変だったことは言うまでもない。
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2010年、記録的な猛暑だった夏、運動不足を極めた。
結果、お腹が・・・ヤバい・・・
そして、久しぶりに超運動不足の身体で山登りしたら・・・
非常にキツかった。
あたりまえだ。
山頂手前の岩
9月25日の土曜日も事務処理などの仕事をしていた。
その仕事の合間にツイッターを覗いたりしてみると、山関係でフォローさせていただいている方々が山に向かっていたり、いま山にいるよー、などとツイートしている。
うーん、メチャ羨ましいな。
東京は小雨模様だったが天気は回復傾向で、北アなどは晴れているようだった。
「明日は日曜日だ、休めるじゃないか・・・」
などと、心の中でつぶやくと、もういてもたってもいられない。
とっとと仕事をやっつけて、山に行くぞ!
猛スピードで仕事を終わらせ(テキトーということではない)丸善日本橋店の山の本コーナーとネットを駆使して、どこの山に行くか検討。
あれこれ考え、車で奥秩父の両神山に決定。
この山は電車とバスでのアクセスが非常に悪い。
だからまあ面倒だが運転も仕方ない。
9月26日(日)
朝3時に出発。
関越自動車道を「法定最高速度で」快調に飛ばす。
花園インターで降りて、まだ真っ暗な道路を寄居皆野バイパスを通って皆野を抜け、秩父から小鹿野方面へ。
実は八丁峠から連続する岩場・クサリ場のルートも考えたのだが、このヘタレな出っ腹ではキツ過ぎる。
今回は日向大谷からのルートにした。
登山口の日向大谷が近付くと、道は車がやっと一台通れる程度の幅になる。
まだ夜明け前で薄暗い。
以前、反対側の登山口でテンらしき動物を見たことがあるが、今回は野ウサギが飛び出してきた。
あやうく轢いてしまうところだった。
途中でコンビニに寄ったりしたが登山口には5時30分ごろ到着。
すでに5台の車が停まっていて、うち2台は前の日から来ているようだった。
フロントガラスに朝露がついている。
腹ごしらえしてから、登山靴に履き替え、準備万端。
6時少し前に山頂を目指して出発。
階段を少し登って両神山荘へ。両神神社の里宮はこの右奥にある。
少し登ると鳥居がある。
一礼し、入って右側のお堂に安置された勧蔵行者像に登山の無事を願う。
木々の向こうに武甲山が見えた。
しばらくは沢の渡渉を繰り返す。
小さな祠や石碑が次々に現れる。
いかにも信仰の山の風情。
会所を過ぎて、八海山と呼ばれる場所へ。
そしてここをすぎると急登、急登・・・
あー、運動不足を痛感。
いかん・・・
それでも喘ぎ喘ぎ登る。
八丁峠からのルートなんか、これじゃ無理だ。
この秋に鍛え直さないと本気でいかん。
しばらくすると「弘法の井戸」と呼ばれる水場。
喉を潤す。
山で飲む水はマッカラン25年よりウマイ。
(かもしれない)
そこからひと登りで清滝小屋。
今は休業中で避難小屋として使用されている。
実にキレイ。避難小屋としては十分だな。
裏には小屋の名前にある清滝がある。
細いが、しっかりとオーバーハングな岩から水が落ちている。
ここから産泰尾根に取りつく。
また急な登り。
もー勘弁してくれ~
崩壊した登山道があって、登山口には「崩壊してる箇所がるよ。巻き道もあるけど、安全とは限らないから自分の責任でよろしくねー」みたいな内容の注意書きもあった。
行く人は注意してくださいね。
まあ、足を滑らすとか、バランスを崩すとかさえなければ大丈夫だけど。
しばらく登れば尾根上に出る。
ここで初めて両神山の山頂を見ることができる。
(木の葉に隠れて見にくい)
そして、ここからがまた大変。
オジサンを痛めつけるような急登と、岩場・クサリ場が出てくる。
クサリ場は嫌いじゃないが、オジサンはこの夏の暑さで体力が~・・・・とか言ってももう遅い。
だから文句を言わずに登った。
まあ、たいしたクサリ場じゃないけど、なめたらあかん。
ひーこらひーこら登っていると樹林帯の広い尾根へ。
両神神社の本社に到着だ。
あー、休憩しよー。
気温は9度。
だが、全然寒くない。
むしろ暑かった。
この温度計は正確なのか?
というか、やっぱりオレは寒さに強いのかな?
(皮下脂肪のおかげなのか!?)
さて、両神神社の狛犬は山犬だ。
ようするにオオカミ。
秩父では山犬信仰に基づいて狛犬を山犬としている神社が多いと聞く。
三峯神社も、宝登山神社も、そして武甲山の一の鳥居でもそうだった。
そのオオカミのことは武甲山の記事に書いたから、その記事で見てくれたまえ。
武甲山の記事は→ ここ
神社で一息入れ、参拝してからまた登る。
ああー、山頂はまだかーと思いながら、登る。
そしてひときわ高い岩峰が現れ、クサリに従ってよじ登る。
最後のクサリ場をクリヤすれば、やったぜ山頂!
すごく狭いけど素晴らしい!
富士山は雲がかかっていたが、なんとか見えた。
(一番奥にかろうじて見えてる)
奥秩父、西上州の山々が良く見える。
八ヶ岳もなんとか。
では、動画でどーぞ。
素晴らしい景色を眺めながら、おにぎりを2個食べた。
お湯を沸かしてみそ汁くらい作ろうかと思ったが、狭いし面倒なのでやめた。
着いた時、山頂には私の他に4人しかいなかったが、続々と登山者が登って来る。
夜は、両親の誕生祝いも兼ねて、うちのカミサンが鰻が美味しい割烹を予約してくれているらしいから、とっとと降りることにする。
それに高速道路の渋滞も避けたい。
登ってきた同じ登山道を下る。
そして岩場は慎重に。
当たり前だが落ちるのいやだ。
急な登りは、下りも急だ。
登ってくる人たちをクサリ場の上で待ちの状態も少々。
昼少し過ぎに駐車場着。
下りで、抜きつ抜かれつしていた単独の青年より少し遅かったが、お互いに「お疲れ様」と声を掛け合い、両神山を後にした。
朝は、まだ暗い道を来たから景色のないドライブだったが、帰り道は山里の風景が楽しい。
そして、こんな両神山が後ろに見えたから、思わず車を停めて写真を撮った。
両神山は、まるでステゴサウルスだな。
急登あり、クサリ場ありの充実したコースだった。
痛快云わん方なかりき。
しかし・・・
その翌日から3日間ほど、激しい筋肉痛に襲われて大変だったことは言うまでもない。
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