南アルプス 仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳 単独

分割した夏休みの前半は家族と家内の母親を連れて福井旅行。
義母の諸々の用事と、越前名物グルメツアー。
お役目を果たせば、そう山が待ってる!

しかし仕事の都合もあって日程は2日間しかない。
それに、この暑さだから緯度にもよるが標高は2000m~2500m以上はほしい。

そこで決めたのが、北沢峠をベースにして1日目に仙丈ヶ岳に登り、2日目は甲斐駒ヶ岳の登るという計画だった。

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8月13日 

早朝3時出発。

中央高速を伊那インターに向かう。

あわよくば仙流荘のある戸台口の南アルプス林道バス停から6時に出発するバスに乗るという予定だった。
しかし、八王子を過ぎた頃から少し混みはじめ、相模湖を越したあたりから上り坂の手前で渋滞ではないがノロノロ運転になってしまう状態。
あまり速くない車まで追い越し車線に入ってきてしまうという良くあるパターン。

6時発のバスは諦め、臨時バスを期待して急がずにドライブすることに。
諏訪湖S.Aで一度だけトイレ&朝ごはん(買ってあったおにぎり)休憩するが、大混雑であった。

戸台口の駐車場に7時着。

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7時40分の臨時バスで北沢峠まで約1時間。

バスからは、鋸岳、甲斐駒ヶ岳などが良く見えた。
天気もそこそこ良さそうで、胸は高鳴る。

北沢峠少し手前の大平山荘で降りる登山客が数人いたので、自分も降りることにした。
というのも、ここで降りると仙丈ヶ岳への行程を10分ほど短縮できる。

今夜宿泊する予定にしている北沢峠の長衛荘まで行って、ロープやら、ツェルト、ガスカートリッジ、天気も良いから防寒服などをデポして身軽に登ることも考えたのだが、それでは天気の急変に対応できないし、そのうち行きたいアルプス大縦走のトレーニングにもならない。

大平山荘の女将さんと混み具合なんかの話をして、「アルプスの女王」と言われる仙丈ヶ岳に向かって8時50分に出発。

上で泊まるわけではないので7時間の行程として考えると少し遅い時間になってしまった。
夏山の雷ほど恐ろしいものはこの世に無い。

登りは藪沢に向かって苔むす樹林帯を行く。
沢と出会えば涼風が爽快な登りだ。

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右岸からは(進行方向では左)いくつもの小さな滝が流れ込む。

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そして、たくさんの高山植物が咲く中を更に登り、振り向けば

おー、甲斐駒だー!

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待っててくれよー!
明日行きますからね~!!

左岸の樹林帯に再び入り、ジグザグな急登。
馬の背ヒュッテを過ぎ、稜線の左前方に現れる薮沢カールを目指す。

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薮沢の源流に出会い、しばらく行けばカール底に建つ仙丈小屋。
この手前の水場で喉を潤す。
ついでにオヤジは顔も洗う。

ここから山頂へはガラ場の登り。
振り向けばカイコマを見下ろす感じ。

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西からの地蔵尾根を合わせればいよいよ頂上が近い。
遠くに鳳凰三山のオベリスクが見える。

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間もなく山頂

やったー!
仙丈ヶ岳 3033m

久しぶりの3000m超え。(昨年の槍ヶ岳以来)

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仙丈ヶ岳の頂上からは日本一高い富士山と、二番目に高い北岳が仲良く並んでいる姿を見ることができるのだそうだ。
しかし、残念ながらこの日は富士山が見えなかった。

それでも、ナンバー2の北岳とナンバー4の間ノ岳を結ぶスカイラインが美し過ぎる!

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頂上からのパノラマを動画でどぞ!



南アルプスの重厚感が少しでも伝わるといいけど・・・
実際に見るのとは違うんだな、これが。

頂上でゆっくりしている時間もそれほどないが、せめておにぎり1個でも食べたい。
登りながらウィダーインゼリーとか、ブラックサンダーも食べたし、おにぎりも1個食べちゃったので、残りの1個を食べる。

うーまい!
やっぱり山頂のメシはウマい!

下りは小仙丈ヶ岳を経由する。
甲斐駒ヶ岳を眺めながら下り、登り返し、下り、登り、下る。

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正面に甲斐駒ヶ岳を眺めながらの下りは、実に楽しい・・・

ウソだ・・・

ホントは凄く苦しい。
辛い。
エスカレーターが欲しい。
ヘタレなんだよ。

なんとか小仙丈ヶ岳。

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ここからの眺望も素晴らしい。

新しいデジカメで、ちょっとカッコいいのではないかと思われる写真

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甲斐駒が武田菱みたいに見えなくもないのではないか!?
こりゃ、白旗史郎さんにも見てもらいたいな。

それから、新しいデジカメのパノラマ機能も使ってみた。

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岩礫の稜線から樹林帯に入り、尾根を延々と下って長衛荘に着いたのは4時近かった。

長衛荘

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小洒落てる。

まずは生ビール
お疲れさーん。

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夕飯は5時半から

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豚の角煮は、柔らかくて美味しかった。

就寝時間の8時まで、まだ少し時間があるから外のテーブルで、近くにいた若者にも振舞いながらワインなど。

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外はフリースなどを着ないと寒いくらいだ。

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下界の暑さが嘘のよう。
そういえば、ストーブも点けてたもんな。

ワインの酔いと、山歩きの疲れで、7時半頃には深い眠りに落ちてしまった。



8月14日

3時頃には目が覚めた。
気が付くと隣の布団の上で寝ていた。混んでいるといっても南アルプスは、北の比ではない。
山小屋も余裕があって快適だ。

長衛荘の朝ご飯は前日にお弁当で渡される。
朝の3時半から、大きな鍋の味噌汁とお茶が食堂に用意されるので、勝手に食べて、早出する自由、ゆっくりするも自由。
合理的で良いシステムだ。

目が覚めていたから弁当をいただく。
用意されているキノコの味噌汁が実に美味しかった。
なかには4杯も飲んでる人もいた。

・・・ 私だ。

外に出てみてびっくり。
小雨が降っている。
うーん、まいったなぁ・・・

レインスーツ着て、ヘッドランプを着けて出かけてゆく人たちを横目に雨が止むまで、お腹がいっぱいだからもうひと眠り。
5時までウダウダして、小屋の人に天気予報を訊くと、午後から崩れるという・・・
既に崩れてるけどな。

甲斐駒ヶ岳は今回で4度目だ。
過去3回のうち1回は頂上に立ったが、小雨がずっと降り続ける中だったので眺望はゼロ。
他の2回のうち1回は初冬の吹雪に撤退。1回は大雨で断念。
要するに鬼門の山のひとつ。

そして今回も、なんだか嫌な予感が・・・

準備を終えて朝の5時過ぎに小屋の1階に降りると、警察とレスキューの皆さんが大勢いた。
昨日もヘリが飛んでいて、なんでも甲斐駒で行方不明の方がいるらしい。
まだ見つかっていないんだろう。どこかでビバークできていれば良いが、その装備を持っているかどうか・・・
捜索の皆さんもどうぞ気をつけて。

5時半ごろには雨は降っているか、いないか程度になった。
とりあえず甲斐駒ヶ岳を目指して出発する。

北沢駒仙小屋のテン場には、たくさんのテント。

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ここを過ぎて北沢沿いに登ってゆく。
樹林帯を抜けると、累々と岩石が連なるゴーロの斜面に飛び出す。

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この斜面の裾を進むのだが、かなり強い風が出てきた。
雨も時折強く降る。
空を見上げれば、分厚い雲が覆っている。
もちろん山頂は霧の中で、サントリー南アルプス天然水の元がたくさん降っているのかもしれない。

レインスーツを着ようかどうしようか迷いながら進んでいるうちに、仙水峠に着く。
ここからの摩利支天は圧巻なのだそうだが、かすかに見えただけだった。

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さて、ここで進むか戻るか思案していた。
写真を撮ったり、レインスーツを着たりして考えていた。

雨は相変わらず降ったり止んだりだ。

日本海に低気圧があるようだから上の風は更に強いだろう。
落ちることは無いにしても、頂上まで行ったところで景色は無い。
駒津峰までということも考えられるが、それだったら早く戻って高速道路が大渋滞する前に帰る方が良い。

撤退!

甲斐駒ヶ岳の神様は未だ私を一人前として認めてくれていないようだ。
生まれて半世紀、まだまだ修行が足りないんだ。
しかし、いつの日か絶景を見せてもらえる日まで、世のため人のため、税金納めます!
営業マン(ウーマン)も雇います!(マジで募集中)
でも、なるべく早く見たい!
こうなったら、来月も来るかな。

引き返すと決めて去ろうとしたら、同じ単独のオジサンが来た。(オレもオジサンだけど、オジサン・オブ・オジサン)
きょう来たばかりで、あの黒戸尾根(あのとんでもない黒戸尾根!)の7合目あたりにある小屋泊だという。

写真を撮り合い「くれぐれも気をつけて」と挨拶して違う方向に歩き始めた。

撤退の道では脚が重くなるものだ。
まだ帰りたくないという思いもあって、沢で岩魚を探したりして時間を延ばしていた。
本当に岩魚とか発見しちゃうんだけどね。今回も。

すれ違うパーティーの皆さんが必ず「上はどう?」と聞いてくるが、仙水峠までしか行っていないので、知っているだけのたいしたこともない情報だけお伝えする。
そして、気をつけてと言って別れる。

北沢駒仙小屋で竹沢長衛翁のレリーフに「また近いうちに来ます!」と誓い、重い足取りで9時頃、北沢峠に戻った。

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バスは10時まで無い。
長衛荘で小屋のバイト兄さんと話しながら焼きたてのアップルパイとコーヒーで休憩。

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10時のバスに乗り、約1時間で駐車場まで。

すぐに車に乗り込み帰途に就く。

途中、高遠の商店街で「高遠そば」という看板に反応してしまった。

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食後、伊那市のローメンにするべきだったかもなと思いながら運転していた。

帰りの中央高速道は、笹子トンネル、談合坂、小仏トンネルといったお決まりの渋滞ヶ所で2~3キロ程度の渋滞があっただけで、すんなりと帰宅。

この蒸し暑い下界に帰ってくると、ほんの数時間前まで山にいたことが夢のようで、ますます山への想いが募ってしまうのだった。

仙丈ヶ岳ももちろん素晴らしかったが、甲斐駒ケ岳は深田久弥をして日本の十名山から外すことはないだろうと言わしめた名峰中の名峰。
その毅然としたピラミダルな金字塔は、しばらく私の頭から離れることはなさそうだ。

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ああ、痛快で爽快な夏休みだった。

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

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残念ですね・・・

こんばんわ。
お久しぶりです、運・不運があるのではないでしょうか?、実は私も運悪く甲斐駒ヶ岳は三度目の正直(一回目仙水峠で足が攣ってリタイヤ、二回目は駒津峰まで登るも強風雨の為登頂を断念し北沢峠へ下山、三回目に早川尾根を縦走しやっと登頂)で制覇できた山でした(ちなみに仙丈ケ岳は4回行って4回とも快晴でした)。幕営地のある北沢駒仙小屋も良い小屋ですよ泊ってみたら・・・。

辻本さんが甲斐駒ヶ岳へ行った前の週に白馬岳へ行ってきました後でメールします。

つちかね様

白馬の写真、拝見しました。
天気が良かったようですね。
白馬と言えば、あの巨大な小屋の大きなレストラン(?)で、雲海を見ながら生ビール飲んだことを思い出します。
お疲れさまでした。

久々の山の記事を楽しめました。
やっぱり、この季節は標高の高い山でないと、暑くて参ってしまいますね。
私は、まだまだ初心者ですので近所の低山ばかりのハイキングですが、いつかは辻本さんのブログに登場するような、3000m級の山にもチャレンジしたいものです。

A64@yokota 様

低山には低山の面白さがありますが、真夏はやはり高い山か、北の山です。
陣場~高尾ができれば、そこそこの山に登れますよ。
そのうち行きましょう!

あ”~~~~!!
いいですね~~これ!!
行きたいんです。

ところで前回のお山のピンクのお花はハクサンフウロではないでしょうか??
月山9合目の仏生池の祠の周りを埋め尽くすように咲いていました・・・。

こんばんは!初めてお邪魔します。
14日私も甲斐駒に行っていました。北沢峠を6時過ぎに歩きだしたので、どこかですれ違ったかも・・・
それにしても強い風でしたが、なんとか頂上まで行ってきました。真っ白の世界しか見えませんでしたが・・・

ichi 様

ハクサンフウロだー!
ネットで見たら間違いない!
ありがとー。
山誘うね。

bun 様

コメントありがとうございます。
きっと会ってますねー。
撤退した後も、もしかしたら晴れるかも・・・・って、ずっと後ろ髪を引かれっぱなしでした。
カイコマには、近々リベンジしたいと思ってます。
またお会いしましょう。

戸台からのこのルートは昔歩いたことがあり、
とてもなつかしかったです。
甲斐駒、残念でしたね。

黄蓮谷からずっと狙っていたのに登頂できず、
卒業までにはぜひとも、と黒戸尾根にルートを変更したのに
それでも悪天候で断念した不運な山岳部の後輩が居ました。
でも、その彼も社会人になってから、黄蓮谷経由でリベンジしていました。

事故がおきると、言い古された言葉ですが、
引き返す勇気、という言葉の重みを感じます。

甲斐駒リベンジとローメンの記事を、待ってます。

jtstj 様

黄蓮谷ですかっ!沢ヤさん憧れの!?とても無理です。
黒戸尾根は少しは体力が残っているうちに、この5年以内くらいに、2日かけてもう一度登ってみたいなーと思ってますが。
なんにしても甲斐駒リベンジは、絶対にやります!
ローメンも食べますよ!

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プロフィール

辻本孝良

Author:辻本孝良
東京都中央区で会社経営してますがビジネス関係の記事はほぼありません。
山とか酒とかB級グルメとか阪神タイガースとかの、どうにもならないような記事ばっかりです。

50歳を過ぎているというのに志の低いブログでごめんなさい。

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