富士登山 1

夏の富士山に登った。

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山を登っている時に富士山が見えるとテンションが上がる。
富士山には何か神を思わせる気高さがある。
思わず手を合わせてしまう。
まさに霊峰だ。
そして八面玲瓏という言葉が富士山から生まれたと深田久弥も書いている通り、これほど整って美しい山、裾野までおおらかに伸びる曲線スケールの大きな山は世界でも他に無い(だろう)。

海外旅行から帰ってきた時に、上空から富士山が見えると歓声があがる。
富士山は日本国を代表する山であり、国民の精神的資産の山だ。

しかし一方で「富士山は登る山ではなく、遠くから眺める山だ」とよく言われる。
果たして本当にそうなのか?


本当の山好き、山ヤ、は10月とか11月頃の雪上訓練で登るだろうが、この夏に企画していた槍ヶ岳登山に参加できず、ひょんなことから22日より山小屋1泊で富士山に登ってきた。
夏の大混雑を覚悟して、物見遊山的な富士登山。
しかもツアー!
まるで初心者だわ。

夏の富士山に登るのは、ずーっと昔、若いころ以来だ。

残念ながら、頂上でのご来光も、景色さえも観ることができなかった。
しかし、そんなことより残念なことが多すぎて、前述の「登るより眺める山」という言葉は、夏の場合は全くその通りだと思った。


8月22日早朝、新宿でO君と待ち合わせ、西口の富士山バスツアー集合場所へ。
O君は私と同じ山岳会の仲間で、私と同様に出席率が非常に低い不良会員である。
大きな会社の広報で非常に高い地位があり、責任も大きいのでこのブログに顔、名前を出せない。

さて、新宿駅西口のバスツアーが集まる辺りに行くと、人人人……
夏休みの学生らしき若者から、子連れのファミリー、中高年と幅広い。
しかも、みんなザックを持っていて、ハイキングシューズというか、トレッキングシューズを履いている。
スニーカーやジーンズの人も少なくはないが、ほぼ全員が「登山っぽい」格好だ。
しかも、そのほとんどが新品の下ろしたて。
全く汚れていないし、靴などは全くすり減っていない。
ははー、これがスポーツショップなどで売っている「富士登山セット」かー…と納得。
うす汚いザックに、ヨレヨレのパンツ、縦走用の登山靴というのは我々くらい。
少し恥ずかしい…
なにしろ企画は全てO君に任せて、行き帰りのアクセスも、宿泊する山小屋も、8合目までのガイドもセットになった初めて山に登る人用バスツアーで行くという、インチキっぽいが、とても格安な富士登山なのだ。

まあ、なんにしても我々を乗せたバスは午前10時ごろ吉田・河口湖口コースの5合目に10時頃着。
それにしても、ここも人だらけ。

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出発まで1時間半の休憩は、恐らく高度に体を慣れさせるための高山病対策なのだろう。


11時30分に8合目の山小屋を目指して出発。
天気は曇り。暑くも寒くもない歩きやすい天候。
ガイドさんは女性で、初心者にもわかりやすく疲れにくい歩行方法や、高山病対策などを教えながらゆっくりゆっくり進む。
歩行速度は、いまのところ運動不足の我々にとって丁度良いくらいだ。
しかし、20分歩いて休憩の繰り返しにはちょっと参った。
もちろんこれも高山病対策なのだろうが…
それにしても、ちょっと休憩が多すぎるな。

登山道は鋼鉄柵とコンクリートで作られた落石防護壁で守られていている。
ちょっと違和感があるが、落石の恐ろしさを考えれば仕方ないのか・・・・
ここは富士山・・・

これが壁
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徐々に高度を上げて行く。
山小屋が次々に現れるが、下から見ると要塞のようだ。

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やがて岩場が現れる。
岩場といっても危険ヶ所があるわけではなく簡単に登れる。

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7合目手前あたりで雲を突き抜けた。
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同じツアーの皆さんも元気に登っている。
60歳前後のご夫婦が遅れていたが、後から来る同じ会社の他のツアーに吸収されるそうだ。

そして、いよいよ3000メートル越え。
これは久しぶりの快感。
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空気の薄さを楽しもう!

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しかし、雲海にの下に広がる山や湖は見ることができない。

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ひたすら登る。
夕暮れの雲海もきれいだ。

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そして夕暮れが迫るころ、やっと宿泊する本八合目の山小屋に到着。
お疲れさん!

というか、あまり疲れていないけど。
富士山は木も草も花もなく、危険箇所もなく、とりあえずダラダラ登っていれば登れる。

さてさて、山小屋の部屋に通される。

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

ここ?

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

まじ?

まあ、しょーがないね。

食事の順番がやっと回ってきた。
カレーライスが出ている。
ビールを注文。
しかし、次の人たちが待っているから、カレーを肴にビールを一気に近いスピードで飲み、カレーライスをかっ込む。

そう、ここは夏の富士山。

ゆっくり食事など許されない。

小屋は実質7月と8月の2か月しか営業できないのだ。
山で贅沢はできないし、登山客が日本全国から次々に頂上を目指してやって来て頼んでもいないが泊まるのだから、構っちゃいられない。
だから山小屋は悪くない。
わかっている。
アルプスや八ヶ岳ではないのだから。
しょーがないのだ。
富士山に登るなら我慢しなさい!

しかし、あえて言う。
「あと少し、もう少しでいい、おもてなしの気持ちを加えてください!」

ムリだろうけど・・・

7時50分。
ウィスキーを飲めるような場所もなく、もちろん他の登山者と語らえる場所もなく、やることもない。
それに明日は早く出ないと人の渋滞で頂上でのご来光は見れないとガイドさんに教わったし、軽い高山病の症状である頭痛もあったので寝ることにした。
しかし、あのスペースで眠るのはなかなか難しい。
隣のO君も、反対隣りの知らないお兄さんも同じだろう。
あの狭いスペースで熟睡できるのは、アンガールズか妖怪イッタンモメンか…
ああ゛・・・・


二日目

眠ったのか眠ってないのか、高山病の症状なのか違うのか?
少し頭はボーっとしているが、予定通り2時前に起床し頂上へ向かう。
O君も同じような状態。
荷物は必要なものだけサブザックで持ったので、非常に軽い。
楽勝だ。

ガイドさんの言うとおり、すでにこの時間にも登山道はヘッドランプの明かりが延々と続いている。
自分のランプを点けなくても大丈夫なくらいだ。
そして、まだこの頃は月の光もおぼろげにあったのだが…

朝3時。
頂上に到着。

すでに、ご来光を待っている人が大勢いた。
このころから、霧がどんどん深くなる。

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腕時計(CASIO PROTRECK)の温度計では氷点下3度。
風も強くなりだし、体感温度はさらに過酷だ。

地面から滴る水分は、つららとなる。
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ご来光を、じっと待っていると寒いが、我々は冬の装備だ。
しかもカイロもある。
だから大丈夫。
しかし、周りの登山者を見ると手袋が軍手という人が多かったように思う。
これは防寒の役にはたたない。
それから毛糸の帽子を持っていないとか、フードのない普通のジャンパーだけという人は厳しいだろう。
頂上の山小屋ではラーメンやうどんを売っていて、寒さを凌ぎたい登山者に飛ぶように売れていた。
しかし、それも一時凌ぎにしかならない。
ガイドブックには、もっと大げさに富士山の過酷な気象を書くべきなのではないか?
特に外国人はリゾート気分で来ているようだった。
Tシャツ一枚とトレーナーだけでは、行動中はなんとかなっても、行動していなければ大変なことになりますよ!
困ったものだ。
まあ、富士山には山小屋がたくさんあるから、もしもの場合には何とかなるだろうけど…

4時・・・まだ空も雲も焼けない。
4時半・・・まだ焼けない
5時・・・日の出の時刻だが・・・

刻々と時は過ぎるが、ご来光は見えない。
5時半・・・
待っていた登山者たちが三々五々、下山を始める。

諦めた。
霧が深い。

記念撮影だけして、本八合目の小屋に戻るために下山する。
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まあとりあえず富士山頂で「ナンバーワン!」

小屋に戻り、昨晩の夕食時にもらっていた朝食用の弁当を食べる。
そして、五合目の集合時間までまだ時間があるので少し眠る。

8時に起き、8時半ごろより下山開始。

下山道は砂礫の広い道だ。
物資を荷揚げするためのブルドーザーも登り降りする道路となっている。
小雨が降っているおかげで、砂塵が舞うことがない。これはラッキーだった。
砂礫の下り、初心者や未経験者は怖々と足を踏み出すので腰が引けている。だから余計に筋肉と膝に負担をかけている。
また、スニーカーだと足をそっと置かないと砂が入る。
下山しているほとんどが、そのどちらかだ。
我々は、踵で踏み込みながら走るように下る。
とても楽ちんな下山道だ。
フカフカ雪の時と一緒だな。
100人?いや200人以上は抜き去ったのではないかな。

五合目にはバス出発時間より随分と早く着きすぎた。
またまた今日も、すさまじい人の数。
レストランで乾杯しようと思ったが、大混雑している。
仕方ないので、どこかのツアー客に紛れ込んで畳の休憩室に陣取り、缶ビールを買って乾杯。
それでもまだ時間があったので昼寝する。
大胆なことオジサンの如し。

ツアーのバスは1時に帰途へ。
途中、富士急ハイランド近くにある「ふじやま温泉」に寄る。これもツアーに含まれているのだ。
そして、これがなかなか良かった。
露天風呂でまったりして、レストランでビア。
締めには肉玉吉田うどん。これがまた良し。
O君曰く「このツアーでここが一番良かった」
オレも同感。

多少の渋滞もあったが、バスは我々が眠っている間に新宿に到着。
夕方5時過ぎ。

そして新宿でまた「反省会」&ビア。

こうして夏の山登りは終わってしまった。
富士山で良かったのか?

良くはないよな。

富士山は夏に登る山じゃないとこがはっきりわかった。

まあ富士山総括については次の機会にしよう。

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登頂、おめでとうございます。

すごい人の写真にびっくりしました。
20分歩いて1本入れる、というのもびっくり。
落石防止のフェンスもすごいですね。

夏の富士山はすごく混雑している山なんですね。
認識を新たにしました。

それは凄い混雑ですよ

夏の富士山に登るのは、せめて月曜日から木曜日にするのが良いようです。
それよりも、ほかの山に登った方が・・・
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辻本孝良

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東京都中央区で会社経営してますがビジネス関係の記事はほぼありません。
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